ゴほうしの話 その1
どうもkuroです。
去年の年末の話です。その頃、第1回メガミノベル大賞の応募作品の選考時期で、私も年末年始の本来休んでいる時期にイヤと言うほど応募作を読んでいました。私はこういう素人の方の作品の読み込みは初めてだったんですが、正直しんどい。マジでしんどい。当然ですが、商業に流通している作品よりも完成度は低いモノが多いですし、正直な話、半分くらいは日本語に不自由だったりもします。そんな作品250以上を前にして、憂鬱なため息を吐いたりしていました。
そんな中、バカみたいに楽しんで読めた作品が2つありました。
一つは『成金』という作品です。メガミノベル大賞、編集部特別賞受賞作。
これはプロレスに青春をかけた少年のスポ根モノでした。実直かつ木訥な主人公、立ちはだかる魅力的なライバルたち、主人公に大きな影響を残した父親の過去、彼を見守るプロレス界のカリスマ、特訓、迫力あるバウト、すべてが高水準でとても面白い作品でした。
ただし、女の子がいねえ! いや、いないことはないんですけど、明らかに添え物扱い。「メガミ文庫」としてそれはどうなんだと言う理由で、大賞を断念せざるを得ませんでした。その結果、急遽特別賞を作ったくらいです。
もう一つとても楽しめた作品が、今回お話しする『ゴほうし!』です。
- 作者: あだ村むだら,みさくらなんこつ
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2009/09/29
- メディア: 単行本
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メガミノベル大賞属性賞「菌」賞受賞作。
これは『成金』とはまったく別の意味で面白かった。『成金』はその完成度は高かったけど、ベクトルが私たちの求めたモノとまったく違う作品でした。逆に『ゴほうし!』はむしろベクトルはいい方向向いていました。女の子の数こそ少ないですが萌えキャラっぽいですし、ストーリーも明るく楽しくハートフル、ギャグはかなり面白いレベルと思える。うん、やっぱり方向性は間違っていない。
ただちょっと一部分が突き抜け過ぎていただけです。
初めて著者のあだ村さんにあったとき、こう言いました。
私「これはとても面白い作品と思うのですが、ちょっと問題があるんですよ」
あ「やっぱりちょっと萌え分が足りませんか? キャラ増やした方がいいですかね?」
私「いや、そういう問題じゃないんです。描写的な問題でして……」
あ「あ、ちょっとエロ過ぎましたか?」
私「まあ、そっち方向の問題ではあるんですが……」
あ「エロ分はあった方がいいかなぁと思ったんですが……」
私「いや、あなたの表現はそんなにエロいとは考えていません」
あ「え? じゃあ何が?」
私「正直に言いまして、これは萌えでもエロでもないんです」
あ「はあ?」
私「下品なんです」
あ「……下品ですか」
私「……下品です」
そう、『ゴほうし!』の突き抜けた部分とは下ネタに代表される下品さでした。だって基本的に「幼女」が「全裸」で「キノコ」から「白濁液」ですからね。こういうのは堂々とやりすぎるともちろん萌えませんし、エロさも突き抜けてただ下品になります。それが作品の構成要素の約半分を占めておりました。
でも面白いんだなあー、これが。下ネタというのは非常に根源的な笑いでして、う○こち○こ系のギャグは幼稚園児でも笑えるし、60過ぎたお祖父ちゃんでも笑えます。だから『ゴほうし!』はとっても分かりやすい作品です。さらっと読んで、ゲラゲラ笑って、スッキリ忘れることのできる、本当の意味で娯楽的なライトノベルです。私はそういう用途で楽しめる作品が大好きです。古くは『スレイヤーズ』のような、最近では『ドクロちゃん』や『ベントー』や『バカテス』のような、ただ笑えて、ひたすら笑えて、それだけで十分な作品。
『ゴほうし!』が果たしてそれらの作品と並ぶモノなのか? それは読んだ皆様の判断なさることです。ただ、私は並ぶと信じ皆様の前に出します。
店頭で見つけたら、お手にとってチラッと読んで貰えれば幸いです。そして、クスッと笑ってもらったらラッキーです。もし気に入ってレジに持っていってもいいな、と思ってくださるならそれに勝る僥倖はありません。
メガミ文庫9月末刊は、早いところでは9月29日には店頭に並びます。くれぐれもよろしくお願いいたします。
- 作者: 三井雷太,緒方剛志
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2009/09/29
- メディア: 単行本
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- 作者: 木村航,三月まうす
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2009/09/29
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- 作者: わかつきひかる,花邑まい
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2009/09/29
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面白いし天才なのは認めるが、とりあえず天国の藤子先生に謝れ。