みすぷりの話 その2

どうもkuroです。
家の近くの本屋さんには『みすぷり!』も『クイーンズゲイト3』も売っていませんでした。まだ入荷されていなかっただけと思いたい。

さて、『みすぷり!』の話です。

みすぷり! (メガミ文庫)

みすぷり! (メガミ文庫)

まだ表紙写真はないや。

よくあることですが、『みすぷり!』はイラストがギリギリでした。露出のことではありません。できあがりのタイミングの話です。
今回はけっこうシャレにならないギリギリでした。締め切りギリギリではありません。そんなモノは当然ブッチギリです。校了ギリギリでもありません。それすらブッチギリました。なんと下版ギリギリでした。しかも下版日を2日ずらしてもらった上で。
下版というのは印刷用の版を作る製造過程に移ることです。これに間に合わないと、そのページは白ページとして上がってきます。もちろん修正はできません。今でこそほとんどがデータ入稿ですからおおよそ結果が読めますが、アナログの版下なら入れたイラストがどんな風に間違って出力されても文句言えないタイミングです。「天地さえ間違ってなきゃいい!」が印刷所との合い言葉になる時期。今回は下版まであと4時間、ホントのギリですね。
じつはこつえーさんの手は遅くありません。イラストレーターさんは人によってスピードの差が激しいので比較しづらいのですが、こつえーさんはむしろ驚異的に速い方だと思います。今回、こんなに極限まで遅くなったのは、クオリティの追求のためです。
「もうちょっとで絵のクオリティが上がるんです」
「あともう少し塗りを入れたいんです」
という追求が、こつえーさんは凄まじい。多分こっちで止めなければ、同じ絵を十日でも一ヶ月でも塗り続けているのではないかと心配になるほどです。あの集中力とこだわりは、クリエイターならではのものだと思います。
実際、そうして上がったイラストは文句の付けようもないモノばかり。
今回、特に驚いたのは、「ここにもやっぱりイラストを入れた方がいいので描きます」とこつえーさんの方から挿絵を追加してきてくれたことです。こういうのは編集者はとても嬉しい。作品に対して、イラストレーターさんが真摯に向き合ってくださっているのですから。
しかし言ってくださったのが校了すぎてからですから、ページを作るのが難しく空きスペースにアイキャッチとして入れることになりました。おおよそ希望通りにいけたのですが、ただ一枚だけ入れられなかったイラストがあります。たいへん素晴らしい出来だったのに、スペースの関係上入れることができなかったのです。お蔵入りにして私だけ楽しむのは、あまりにももったいないのでその一枚をここに公開させてもらいます。

主人公・元譲の妹、妙ちゃん。両親が海外に行っていていないので、元譲と2人で暮らしています。いつもお兄ちゃんには厳しく、こんな顔しか見せてくれませんが、家事全般をやってくれるし本当は心根の優しい女の子です。この娘のデザインが上がったあと、原稿を修正し彼女の台詞は倍くらいになりました。本当は編集長に内緒で1エピソード追加しようかと思ったけど自重しました。やっちゃえば良かった。

あらためて告知します。30日頃までには日本全国の書店に『みすぷり!』と『クイーンズゲイト3』が並ぶはずですので、よろしくお願いします。見つからないときは書店様でご注文いただくか、Amazonなど通販でどうぞ……と思ったらAmazon品切れか。一応ショップ学研というものもあるのですが、31日になんないと買えないようです。あとはbk1とかセブンアンドワイとかかな?あんまり置いてないなぁ……。
と、とにかく見かけましたらよろしくお願いいたします。

もちろんクイーンズゲイトの方もよろしく。

クイーンズゲイト〈3〉門を守る者 (メガミ文庫)

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